聖公会とは何か

祈りによって形づくられる教会

聖公会の信仰は、教義の説明だけで理解できるものではありません。祈りと礼拝を重ねる中で、少しずつ身につけていくものです。

私たちは、朝夕の祈り、聖書朗読、詩編、説教を大切にします。また、洗礼、聖餐、婚姻、葬送、病者のための祈りを通して、神の恵みに触れます。

祈りは、すでに持っている信仰を表現するだけのものではありません。祈ることによって、私たちの心と信仰は整えられていきます。

『公祈祷書』と現代の礼拝

日本キリスト聖公会は、1662年版『公祈祷書』を尊重します。この祈祷書は、長い歴史の中で聖公会の礼拝と信仰を形づくってきた重要な基準です。

一方で、礼拝の言葉は、それぞれの時代と社会の中で生きていなければなりません。そのため、私たちは日本語、日本社会、現代の人権感覚、牧会上の必要に応じて、祈りと典礼を整えます。

礼拝の言葉には、伝統を伝える役割があります。同時に、今を生きる人の痛み、悲しみ、願い、希望を担う役割もあります。

私たちは、古い言葉を保存するために人を排除しません。祈りの本質と聖公会の伝統を守るために、必要な言葉を慎重に新しくします。

洗礼と聖餐

私たちは、洗礼と聖餐を、主イエス・キリストによって命じられた主要な聖奠として大切にします。

洗礼は、神の恵みの中に迎えられ、キリストの体である教会に結ばれるしるしです。それは、新しい命と信仰の歩みの始まりでもあります。

聖餐は、キリストの命にあずかる食卓です。私たちはパンと杯を分かち合い、互いに一つの体として結ばれていることを確かめます。

聖餐は、信仰の優れた人に与えられる褒賞ではありません。赦し、慰め、癒やし、力を必要とする人に与えられる神の恵みです。

主教・司祭・執事

日本キリスト聖公会は、主教、司祭、執事からなる三聖職制を保持します。

主教は、教会の信仰と礼拝を守ります。また、教会の一致に仕え、司祭と執事を按手します。

司祭は、神の御言葉を宣べ伝え、聖餐を執行し、神の民を牧します。人々の喜びや悲しみに寄り添い、ともに祈ることも重要な務めです。

執事は、教会と社会の間に立って奉仕します。特に、困窮している人、孤立している人、社会の中で声を奪われている人に仕えます。

聖職は、身分や特権ではありません。それは、神と人に仕えるために委ねられた責任です。

使徒継承

使徒継承とは、主教の系譜が歴史的に連続していることだけを意味するものではありません。

使徒たちに委ねられた福音、祈り、聖餐、奉仕を、それぞれの時代の教会が忠実に受け継ぐことです。

そのため、按手の歴史的な連続性と、福音に従って生きることは切り離せません。制度や形式だけが整っていても、それだけで使徒的な教会になるわけではありません。

弱い立場に置かれた人を見捨て、差別や不正を放置する教会は、使徒的な使命に忠実であるとは言えません。

使徒継承とは、過去から受け継いだものを保存することにとどまりません。キリストの福音を、今を生きる人々に誠実に伝え、仕え続けることです。